あいぼんごっこ

 モ研の合宿の打ち合わせをやるというので、それに参加した。馬場の風俗通りのわたみん家に行った。しかしながらみんな打ち合わせをやる気概はほとんど持ち合わせていなかった。ただそれを口実に酒を飲みたいだけのようだった。でもそれは僕にとっても好都合だった。僕も結局のところ、酒を飲みたいだけだったから。

 軽く酒に酔った僕は、とりあえずあいぼんごっこを始めた。テーブルの下で煙草の灰を落とした。それは実に楽しかった。えも言われぬ背徳的な快感があった。だけどそんなことは、絶対にするべきじゃなかった。冗談じゃない。何をやってんだ。なにしろその場には強烈なあいぼんヲタのくろぼん君がいた。ark君が、「ふっちさんがあいぼんごっこやってるよ!」とかテニサーばりの大声で言うから、くろぼん君がそれに気付いてしまった。くろぼん君は笑顔を浮かべて、しょうがないなあ、ふちりんは、みたいな感じのことを言ってたけど、実のところはひどく傷ついていたんじゃないかと思う。僕だったら、ひどく傷つく。僕はなんということをしたのか。僕の胸はひどく痛んだ。しかしながら、その胸の痛みはひどく気持ちが良かった。人が傷ついている様を見るのはなんともこころよいものだった。やめられない。あいぼんごっこ楽しすぎる。僕はどうやら、完全に美しい人間にはなれないが、完全に醜い人間には簡単になれそうだった。