その1

細雪 (上) (新潮文庫)

細雪 (上) (新潮文庫)

 先日、梨華ちゃんの舞台『細雪』を観るために、名古屋まで行ってきました。新幹線などはとても値段が高かったので、夜行バスで行くことにしました。インターネッツで検索した中でいちばん安い夜行バスを選びました。それは、東京・名古屋間の往復で5300円くらいでした。夜行バスと言えば、こないだ夜行バスが事故を起こして死者が出るという悲しいニュースがありましたね。東京・名古屋間の往復をまさに夜行バスで決行したばかりだった私は、そのニュースを聞き、一歩間違えたら死んでいたかもしれないと思い、震え上がりました。

 4月17日の深夜、私は東京の広い道路の前に立って、安い夜行バスが到着するのを待ちました。AKB48の新曲の、バンド演奏のやつをウォークマンで聴きながら待ちました。私は最近、恥ずかしながら、AKB48のことをけっこう好きになってしまいました。推しメン的なことを言えば、指原のことが嫌いじゃありません。これがもしハロプロに対する裏切りだったらごめんなさい。申し訳ありません。殴りにきてください。グーなら腹を、パーなら顔を、利き手じゃないほうで殴ってください。でも、一番好きなのは梨華ちゃんなので安心してよね。指原はあくまで2推しであり、指原を好きでいることによって、精神の安定を保つことができるのです。梨華ちゃんと指原を同時に好くことによって、実際にかなり安定してきていると思います。自傷行為を一切しなくなりました。私が梨華ちゃんだけを一途に好きでいたとき、最初はよかったけど、だんだんと精神的に追い詰められていき、最終的には暗い部屋の中でリストカッツや根性焼きに及んでしまいました。そういう精神状態でいるのは、はっきり言ってかなりしんどかったです。もし自分のファンがそんなことしてたら、ファン思いの、心やさしい梨華ちゃんはとても悲しむだろう、とも思いました。

 そんなわけで、こないだ、AKBの大規模握手会に行って、指原と握手してしまいました。本当に申し訳ありません。さしこちゃんは、あんまりかわいくなかったです。うそ、かわいかった。さしこちゃんと握手する際、「僕はずっと石川梨華ちゃんのことが好きなんだけど、最近、指原が2推しになったよ!」と言おうかと思っていました。しかし直前になって、「握手しに来たけど、テメーは2推しだ!」というような物言いをするのはいかがなものかと思ったの。そんなこと言ったらまるで人でなしみたいだし、さしこちゃんを傷つけるんじゃないか?と思ったの。そうなの。だから私は、当たりさわりないようなことを言いました。「最近、さっしーのファンになりました」って。そしたら、本当に嬉しそうに笑って「え! 本当!? うれしい!」と言ってくれました。握手会では、「ありがとうございます」以外の返事は誰からももらったことがなかったので、新鮮な感じがしました。個別握手会ってゆっくりお話できるからいいなあ、梨華ちゃんとももっとゆっくりお話できたらいいんだけど、と思いました。

 指原は最近のハードすぎるスケジュールにより、体調があまりよろしくなかったらしく、イスに座ったまま握手していました。しかし握手の際には、真剣な顔で僕の話を聞いてくれたし、笑顔は輝きに満ち、声にはとても力が込められていたので、ちょっとした感動を覚えました。「これはヤバイわ。こんな姿を見せられたら、素人ならハートをガッチリつかまれちゃうわ。僕には通用しないけどね。僕のハートにはぜんぜん届かないなあ。まあ次の握手会も行くけどね。精神の安定のために」と思いました。