梨華ちゃんは僕の分まで幸せになってね

 昨日は、旧友の飯田正樹君とたーくんとの3人で、午後5時くらいに大宮駅前に集まって飲みました。僕は医者に言われて適量飲酒を標榜しているので、最終電車に乗った午前0時までで、チェイサーを駆使しながら350ml缶のビールを5杯しか飲みませんでした。しかしそれでも妙に覚醒して一睡もできず(その間にニコラス・ケイジ主演の『天使のくれた時間』という映画を見た。結構面白かった)、心臓はときおり不穏な動き方をし、しっかり二日酔いになりました。3杯くらいにとどめておくのが賢明であることを、身をもって学びました。でも友人と飲んでいると楽しいからどんどん飲みたくなってしまいます。適量飲酒は難しい。禁酒と同じかそれ以上に。

 3人とも音楽が好きなので、まずはカラオケをしようということになり、午後5時20分くらいから『まねきねこ』という持ち込み可のカラオケ店に酒とチェイサーを持ち込んで飲み、歌いました。僕は高血圧のため、案の定、大声を出そうと力むと物理的に胸が張り裂けそうになったので、マイクを口に近づけ、ささやき声のような声で歌いました。シャ乱Qの『パワーソング』とザ・クロマニヨンズの『生きる』はキーを2つ下げて、堂本剛の『オリジナルカラー』は低いので原曲キーで歌いました。時給800円の『死ぬほどあなたが好きだから』も原曲キーで歌いました。たーくんに「これは完全にふちりんのための曲ですね!」と言われ、昔、梨華ちゃんのことを想いながらこの曲をよく歌ったことを思い出しました。「こんなに人を好きになれた自分が大好きで」という歌詞の通りには、結局なれませんでしたが。

 そのあとは、ソニックシティ前公園に移動し、3人で色んな話をしながら酒を飲みました。この公園には、飲酒してはいけない旨が書かれた看板が設置されているので、警備員が近くに来るたびに怯えました。我々が酒を飲んでいるのは明らかだったけれど、警備員は優しいのか注意するのが面倒なのか、「ちょっと君たち!」などと怒られることはなかった。僕がチェイサーを駆使しながら350ml缶のビールを3杯飲んだところで、「そろそろ帰ろうか」と誰ともなく言い出し、大宮駅に向かって歩き出しました。改札の前で3人で記念写真を撮り、力強くハイタッチをして別れました。

 僕は女が好きだし、まだ飲み足りなかったので、魔女っ子バーに行くことにしました。推し魔女っ子のルチアちゃんに会いたかったけれど、出勤しておらず残念でした。ルチアちゃんは可愛らしいし話しやすい素敵な魔女っ子です。この日はアルトちゃんのバースデーイベントで、とても混んでいました。1時間近く経っても魔女っ子と話す機会はほとんどなくて「ふみゅう…」となりました。でも「まあこんな日もあるさ」と思い、アルトちゃんに誕生日おめでとうを言い、店を出ました。魔女っ子バーで飲んだのは生ビール1杯のみでした。そのあとコンビニで買ってさらに1杯飲んだので、昨日の僕の飲酒量は合計5杯でした。これはギリ適量飲酒である、と思うことにして、自分を褒めました。

 僕が大宮駅発の最終電車に乗ると、ある男性の泥酔者がその最終電車に乗ろうとしたものの、ふらふらと電車から離れて、柱に手をついて嘔吐していました。あのあと彼はどうなったのだろう。僕には、ホームに取り残され小さくなっていく彼に遠くからホイミをかけることしかできませんでした。嘔吐して最終電車に置き去りにされる人がいる一方、僕は僕で、おしっこが漏れそうでした。トイレに行ったら最終電車を逃すと判断し、おしっこを我慢しながら最終電車に乗りました。僕は何とか漏らすことなく最寄り駅について、トイレに駆け込みました。ホッと胸をなでおろして小便器で長々とおしっこをしていたら、駅員さんが遠くで歩き回りながら何かを叫ぶ声と、改札のシャッターが閉まるガラガラという音が聞こえてきました。おしっこを出し切り、急いで手を洗ってトイレを出た僕は、改札のシャッターがガラガラとゆっくり下りてくるのを見つめながら、「ああ僕は、あのシャッターに挟まれて死ぬか、ここに朝まで閉じ込められることになるのだ」と覚悟したけれど、駅員さんが助けにきてくれて、特別なドアから外に出してくれたので、再びホッと胸をなでおろしました。僕はドアから外に出る時、「すみません、ありがとうございます」と言いながらへこへこと頭を下げました。駅員さんは疲弊が身体中から滲み出ており、面倒をかけて本当に申し訳なかったなと思いました。

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 帰り道のコンビニでおにぎりを2つ購入し、自動販売機で缶コーヒーを買いました。通常なら迷わず、同じ値段ではるかに容量の多いコーヒーを買うのだけれど、酔って判断力が低下していたため、容量の少ない鬼滅コラボコーヒーを嬉々として購入してしまいました。まあまあ好きなキャラの栗花落カナヲちゃんが出ました。スマホQRコードを読み取ったら、炭治郎が動画で励ましてくれて元気が出ました。「俺はやれる! 三男だけども!」と思いました。しかし帰宅してしばらくすると、二日酔いの前兆のようなものに苦しめられ始めました。気持ち悪いし、心臓が不穏な動き方をします。「いくら炭治郎に励まされても、人間には出来ることと出来ないことがある。やっぱり俺はやれない。長男じゃないし。このあと心臓発作を起こして死んでしまうかもしれない。振り返ってみると、本当にしょうもない人生だったなあ。梨華ちゃんは僕の分まで幸せになってね」と、力なく床に寝そべりながら思いました。