爆殺


 美学の試験を受けてきた。普段授業に来ない奴らが全員集合していて教室は満杯だった。当然に女も一杯来ていたからおっぱいも一杯だった。少なく見積もっても150パイはあったと思われる。しかし僕はワセジョのおっぱい、くそしみったれたワセパイには一切興味がなかったので、ひとつひとつのおっぱいに唾を吐きかけてやろうかと思ったけれど、唾がもったいなかったので、吐きかけなかった。
 どうせお前らみんな非処女だろう。ワセジョの上に非処女とか最悪だなお前ら。死ね、全員死ね。処女でも死ね、ワセジョの時点で全員死ね。あとうんこ色の髪の毛をした、金属を耳にぶら下げている見るからに臭い非童貞の男どもも今すぐ異次元に消え去ってしまえよ。美学? は、笑わせるね、お前らがそもそも美しくないんだよなんだそのニヤケ面は?
 僕はボンバーマンになりたいと思った。全員が死ぬるように、燃えカスになっちまうように、火力がフルの爆弾を置きまくりたい。でも僕はくろぼんでもあかぼんでもあおぼんでもなくて、単に骸骨のようなアンガールズ的な生き物だったので、実際のところ、ワセジョよりもウンコ色のピアス男よりも低劣下劣無能力な何かだったので、そんなことはできなかった。何にもできない。上記のようなことをただ頭の中で考えることしかできない。だから僕はおとなしく、全員を爆殺するところを夢想しながら着席して、試験を受けた。


 試験中、ノドがイガイガして、咳をしたくてしょうがなかったんだけど、僕がここにいることが認識されるのが恥ずかしかったので我慢した。苦しかった。ごほんごほんって、できたらどんなに楽だろうかと思った。ミキティだったら、ところかまわず鼻水をかむくらいだから、試験中に咳をするくらいお茶の子さいさいなんだろうなって、僕はミキティのことを羨ましく思った。僕はしばらく咳のことで頭が支配されていて、試験に集中できなかった。中盤にいたり喉のイガイガがおさまったのでここぞとばかりにがんばって回答した。とりあえず空白を埋めることはできた。


 時間が来て、提出するときにまわりの学生の答案を見たら、どの答案も細かい字がびっしりと書き込まれてあった。ワセジョの答案も、うんこ色の髪の毛の男の答案も、どれもこれも。僕の記述は、それに比べたら本当に申し訳程度のものだった。僕は恥ずかしくてたまらなくなって、床ばっかり見つめながら歩いた。ずっと地面を見つめて歩いていたら、砂利になったり、土になったり、舗装路になったりした。僕は死にたくて死にたくてしようがなくなった。どうか最後に、梨華ちゃんともう一度握手させてもらえないかと思った。今度はちゃんと、梨華ちゃんの目を見よう。あのとき、握手会のときに、目が合わなかったのは、梨華ちゃんが僕の目を見てくれなかったからじゃなかった。僕が、梨華ちゃんの目を見ることができなかっただけなんだ。