眠い


 すぐ眠くなる。今日はたくさん寝た。勉強も手につかない。行政書士の試験とか別にどうでもよくなってきた。よく考えたら特に行書になりたいわけじゃないんだ。だから僕はアルバイトゥンをしようと思った。家で働くのはもういやだった。笑笑が募集してたので、笑笑に電話をかけた。「すいません、アルバイトゥンがしたいのですが」までは言えたけど、勢いだけでかけたので、その後のことを考えてなかった。しどろもどろになった。
「今まで飲食店のご経験はありますか」
「えっ・・・皿、そうですね、皿洗い的なものを」
「面接日はいつがよろしいですか、あさって以降で。第2希望までお願いします」
「ん? ああ、あさってか、しあさってで」
 僕はだんだん人が怖くなってきた。社会が怖くなった。電話を切ったあと、猛烈に眠くなって、目を閉じた。梨を胸にいだきながら。なんだかすごく安心した。今まで言わなかったけど、梨のことが僕は大好きなんだ。肌触りは少女の肩甲骨のようで、香りは少女のうなじを連想させる。僕はそんな梨が、梨っていうものが、好きで、好きで、死ぬほど好きで、好きだからこそ、食べられなくて、でも時に我慢できなくて食べてしまって、それで後悔するようなこともあって、いったい僕はどうすればよいのか、ああ、わからなくなるんだ!