二周目

 ふたたび池袋に到着し、二周目が始まった。僕はだんだん不安になってきた。「あなたずっとここに座ってますよね。ていうか二周目ですよね」って車掌さんに言われたらどうしよう。もしかして監視カメラがあるかもしれない。そう思った僕は車内を見まわしたが、カメラらしきものは見つからなかったし、なにものかに監視されてる感じもしなかったので、とりあえず安心することにした。

 僕は二周目の途中であまり面白くない状況に直面した。老人の団体が乗り込んできて、僕の目のまえで空席をさがしてまわっているのだ。僕は寝たふりをしようと思ったが、「あ、これで僕の犯した罪があるていど帳消しになるかもしれない」と考え、じつに久しぶりに立ちあがり、老人に席をゆずった。老人は背が高く白髪だった。ちょっと恥ずかしそうに笑って礼を言い、僕が鳩の母親も顔負けなくらい温めたその席に座った。僕はそれをしおに山の手線に別れをつげることにした。田端で降り、越谷に向かう。ごっちんライブの会場推しをするために。うーん、とりあえず人に会うし、メイラックスでも飲もうかな。