双眼鏡で

 梨華ちゃんを眺める。するといきなり梨華ちゃんは衣服を脱ぎ捨ててほとんど裸同然になった。でもあまりおどろかなかったし、いやらしい感じもしなかった。とても自然な感じだった。暑くなったから、脱いだ、ただそれだけの事なのよ。的な雰囲気がそこにはあった。それで、僕も暑いわけだし、裸同然になって、というか裸になって猛然と舞台めがけて突進していき、道をふさぐ奴はことごとく斬り倒し、柵を乗り越え叫んだ、「フリーダム!」っていうこの話は、置いておこうじゃないか、なあマイフレンド。愛しているよ。僕は目のやりばに困ることはなかった。なにしろ自然だったからだ。僕は梨華ちゃんの肢体や姿態をひたすらに眺めた。僕は梨華ちゃんの裸体を、梨華ちゃんを、素晴らしくきれいだと思った。それから梨華ちゃんが、誰かに犯されるところを想像した。このきれいな体が、だんだんと汚されていく。僕にはそれを見ながら、どうすることもできない。いきなり僕は、こころに真っ黒いカーテンを被せられたような気持ちになった。手がふるえ、涙が湧いて出てきた。梨華ちゃんのからだは双眼鏡の中で、にじみ、小刻みに上下した。