ふっち君の日記。

石川梨華ちゃんにガチ恋しているおじさんの記録

進級祝い


 まずTさんとサシで笑笑で飲んだ。青春にまつわるほろ苦い話をした。
「僕は社会から必要とされない人間だよ」って言ったら、
「ふっちさんは必要な人間ですよ」って言ってくれたけど、僕はやっぱりそんなに必要な人間じゃないと思う。いなくなっても全く問題なく世の中は回っていくと思う。むしろいない方が円滑に回ると思う。
 この時点でかなり酔った。焼酎かなり飲んだ。僕は酒を飲まないと緊張して話せない。


 それからD君とM君と合流して笑笑で飲んだ。また笑笑か。みんな笑笑が好きだね。まあ僕が笑笑を推したんだけど。笑笑じゃマズかったかな、と少し後悔してる。
「進級おめでとう!」
「乾杯!」
「そんなにめでたくないけどね」
「D君だけはめでたいよ」
 M君は5年生に進級。Tさんと僕は6年生に進級。D君は2年生に進級。D君だけはめでたい。おめでとう。僕は結局卒業できないんだなあ。梨華ちゃんは卒業できるというのに。切ない。


 そこで僕はまた焼酎を飲んだ。飲みすぎて途中からわけがわからなくなった。会話の内容がほとんど理解できなくなるほどだった。だけどシモネタだけは理解できた。たしかM君がオナニーについての話をしていた。梨華ちゃんで抜くつもりで写真集「華美」を買ったけど、なぜか抜けなかったという話だった。
「石川さんは完璧すぎるんですよ」
 と言ってたのはD君だったかなあ。
「僕はそんな梨華ちゃんで抜いちゃってるんだけどねん♪ ねんねこぷるん♪ ガンガンだぜ!」
 と、いかにも酔っ払いっぽい感じで、へらへらと自嘲的に言っていたのは誰だったか。ああ、僕だ。僕っていったいなんなんだろう。抜いてるからいったいどうだって言うんだろう。僕はその中では年長者だったのに、口を開けばそんなことか。
 僕はシモネタになるとジェットコースターに乗ってるような気分になる。ムダにときめきすぎる。Tさんは、シモネタを話すときにも、実に自然に話す。嫌そうな顔もしないし喜びもしない。そんなTさんは素敵だ。Tさんみたいになりたい。


 飲み後半になって、僕は何度かトイレに行った。そして何度か吐きそうになった。寸前まで行った。テーブルに戻ると、笑笑オリジナル焼酎が入ったグラスをずっとぼんやり眺めていた。
 そしていつの間にか会計の時間になった。さゆニーとかリカニーとか、それ以外の会話を何も覚えてない。やばい。なんてこった。せっかくの進級祝いだったのに。
 なんとなくだけど、会話があまり盛り上がってなかったような気がする。僕のせいかもしれない。僕がシモネタしか理解できなかったからかもしれない。今にもゲロをぶちまけそうな雰囲気をかもし出していたからかもしれない。僕はもしかしたらいないほうが良かったのかもしれない。
 さあ店を出ようというとき、僕が残したグラス満タンの焼酎をTさんにすすめたら、Tさんはそれを一息で飲んだ。男前だった。カッコイイと思った。感動すらした。僕はこの一気飲みを一生忘れないだろうと思う。


 笑笑から出て、エレベーターを待っているときに、本気で吐きそうになった。あと1ミリゲロが上ってきていたら、僕は吐いていただろうと思う。危なかった。でもとりあえずその場は我慢することができた。エレベーターに乗ったら、僕の前に若くてかわいい女の子が背を向けて立った。そして僕はその女の子の後頭部にゲロを吐きそうになった。吐いたらものすごい事件になるんだろうなって思った。一生忘れられないだろうなって。でも我慢した。